家庭内で最も頻繁に使用される設備の一つであるトイレですが、特に2階に設置されたトイレは、1階のものと比較して詰まりやすいという特徴があります。
なぜ2階のトイレは詰まりやすいのでしょうか?この記事ではその特有の原因について詳しく解説するとともに、1階への影響や対処方法などご紹介していきます。

こちらの記事でもトイレ詰まりの対策方法などご紹介していますので、是非ご覧ください。
トイレ詰まり原因と直し方!構造から解説
トイレ詰まりでスッポンがない場合どうする?解消法と注意点を解説
節水型トイレは良く詰まる?原因と対処法の紹介

 

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2階のトイレが詰まる特有の原因

1階に比べて2階のトイレが詰まりやすい原因として挙げられるものは下記になります。

・排水経路が長い
・排水管の勾配の問題
・水圧と水量の不足
・排水管の経年劣化と汚れの蓄積

 

排水経路の長さによる影響

2階のトイレが詰まりやすい最大の理由は、排水経路の長さにあります。
1階のトイレと比較して、2階からの排水は長い距離を通って下水道へと流れていくため、その途中で詰まりが発生しやすくなります。
長い排水経路は具体的には以下のようなリスクを伴います。

・排水の流れる勢いが途中で弱まりやすい
・排水管内での固形物の停滞が起こりやすい
・排水管の曲がり角や接続部分での詰まりが生じやすい

 

排水管の勾配問題

2階のトイレの排水管は、適切な勾配(傾斜)を確保していることが重要です。
勾配が緩すぎると水の流れが遅くなり、逆に急すぎると水だけが先に流れて固形物が残りやすくなります。
特に後付けや増築で設置されたトイレの場合、この勾配が適切でないことがあり、詰まりの原因となります。

 

水圧と水量の不足

2階のトイレは、建物の構造上、水圧が1階に比べて弱くなりがちです。
水圧や洗浄時の水量が不足すると、十分な勢いで汚物を流せず、排水管内に汚物が残りやすくなります。
特に以下のような場合は注意が必要です。

・止水栓が完全に開いていない
・節水型トイレで水量が少ない設定になっている
・水道設備の老朽化により水圧が低下している

 

排水管の経年劣化と汚れの蓄積

長年の使用によって、2階トイレの排水管内部には汚れが徐々に蓄積します。
特に尿石や石鹸カス、ヘアーなどが内壁に付着し、徐々に排水管の内径を狭くしていきます。
これにより、本来なら問題なく流れるはずの物でも詰まりを起こしやすくなります。

 

上記以外にも、一度にトイレットペーパーを流す、水に溶けないティッシュやウェットティッシュを流す、子供のおもちゃやスマホを便器内に落としてしまうなどの理由でトイレが詰まることがあるので、2階のトイレに限らず、トイレを使う際は正しく使うようにすることでトラブルを避けることができます。

排水管に関してはこちらの記事をご覧ください。
排水管交換費用と目安|交換時期や修理のコツ
要注意!排水管高圧洗浄のチラシに潜むワナとは?

 

 

2階のトイレの詰まりが1階に与える影響

2階のトイレが詰まった場合、それが1階のトイレにどのような影響を与えるのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは、建物の配管構造を理解した上で、2階の詰まりが1階に及ぼす影響について説明します。

 

個別排水管での詰まりと共有排水管での詰まり

一般的な2階建ての家やアパートでは、トイレの排水システムは次のような構造になっています。

1.個別排水管:各トイレから最初に伸びる排水管で、トイレ固有の排水路
2.共有排水管(メインパイプ):個別排水管が合流する主要な排水管
3.排水桝(汚水桝):建物外部に設置され、家全体の排水を受ける設備

この構造を理解することで、詰まりが起きた場所によって影響が異なることがわかります。

 

2階のトイレだけが詰まるケース

2階のトイレの個別排水管やトイレ本体に詰まりが発生した場合、通常は1階のトイレには影響しません。
これは2階トイレの単独排水路での詰まりであり、1階のトイレはこの排水路を共有していないためです。
この場合は以下のような症状が見られます。

・2階のトイレだけが流れない
・1階のトイレは通常通り使用できる
・2階のトイレを使用した際に、2階のトイレだけで水があふれる

 

共有排水管や排水桝でつまりが発生するケース

一方、共有排水管(メインパイプ)や排水桝で詰まりが発生した場合は、1階と2階の両方のトイレに影響が出ます。
これは建物全体の排水システムに問題が生じているためです。
以下のような症状が典型的です。

・1階と2階の両方のトイレで流れが悪くなる
・2階のトイレを使用すると、1階のトイレで水が逆流する
・大雨の時に両方のトイレで問題が発生しやすくなる

 

逆流現象の原因

に注意すべきは、2階のトイレを使用した際に1階のトイレで起こる逆流現象です。
これはメインの排水管に詰まりがあると、2階から流れてきた水がスムーズに排出されず、圧力の低い1階のトイレへと押し戻されてしまうために起こります。
この現象が見られる場合は、単なるトイレ個別の問題ではなく、建物全体の排水システムに問題がある可能性が高いため、早急な対応が必要です。
自力で解決は難しいので、このような症状がある場合はすぐに専門の修理業者に連絡するようにしましょう。

 

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2階のトイレの詰まりを自分で解消する方法

2階のトイレが詰まってしまった場合、まずは自分で対処できないか試してみましょう。
詰まりの程度や原因によって適切な方法が異なりますので、いくつかの方法を順番に試していくのがおすすめです。
下記で具体的な方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

1.ラバーカップ(スッポン)を使用する方法

最も一般的で効果的な方法がラバーカップ(スッポン)を使ったものです。
特に水に溶けるものによる軽度の詰まりに効果的です。

手順
1.便器内の水位を適切に調整する(多すぎると溢れる恐れがあり、少なすぎるとカップが密着しない)
2.ラバーカップを便器の排水口に水平に密着させる
3.ラバーカップを強く押し込んでから勢いよく引く動作を繰り返す
4.ゴボゴボという音がして水の流れが良くなれば成功

スッポンの使用方法についてはこちらで詳しく解説しております。
トイレのつまり直し方(薬品・スッポン・お湯など)

 

ぬるま湯を使う方法

トイレットペーパーや排泄物による詰まりの場合、ぬるま湯を使って詰まりを溶かす方法も効果的です。

手順
1.40〜50℃程度のぬるま湯を用意する(熱すぎるとトイレを傷める可能性があるため注意)
2.便器内の水をできるだけ汲み出しておく
3.ぬるま湯をバケツなどを使って便器に流し込む
4.1時間程度放置して詰まりが溶けるのを待つ
5.少しずつ水を流して詰まりが解消されたか確認する

 

重曹とクエン酸(またはお酢)を使う方法

自宅にある材料で詰まりを化学的に解消する方法もあります。

手順
1.便器内の水を可能な限り減らす
2.重曹50g(約1/4カップ)を便器に入れる
3.クエン酸100gまたはお酢200mlを注ぐ
4.泡立ちが起きたら、45℃程度のぬるま湯を追加する
5.1時間程度放置する
6.水を少しずつ流して詰まりが解消されたか確認する

 

専用の排水管洗浄剤を使用する方法

市販の排水管洗浄剤も効果的な選択肢です。
特に尿石や汚れの蓄積による詰まりに有効です。

手順
1.製品の説明書をよく読み、使用方法を確認する
2.便器内の水量を調整する(製品指示に従う)
3.指定された量の洗浄剤を便器に注ぐ
4.指定された時間(通常30分〜1時間)放置する
5.水を流して詰まりが解消されたか確認する

 

止水栓を調整する方法

2階のトイレの流れが悪い原因が単に水量不足である場合は、止水栓の調整で解決することもあります。

手順
1.トイレタンクの横または下にある止水栓を確認する
2.現在の位置を記憶してから、反時計回りに回して開く
3.完全に開いた状態でトイレを流してみる
4.水量が増えて流れがよくなれば問題解決

 

トイレ詰まりの予防方法

 

どんな場合に業者に依頼するべきか?

自分での対処に限界がある場合もあります。
以下のような状況では、専門の業者に依頼することを検討しましょう。

・上記のいずれの方法を試しても詰まりが解消されない
・1階と2階の両方のトイレで同時に詰まりが発生している
・2階のトイレを使用すると1階のトイレで逆流が起きる
・トイレから悪臭が継続的に発生している
・排水管からの水漏れが発生している

1階と2階両方のトイレで問題が発生している場合は、排水桝(汚水桝)の詰まりが原因であることが多いです。
排水桝の清掃は専門的な知識と道具が必要なため、業者に依頼するのが安全です。

また、排水管の破損や亀裂が疑われる、接続部分からの漏水がある、勾配が不適切で水の流れに問題がある場合なども自分での対処は難しいため専門の業者に依頼すると安全です。

業者の選び方に関してはこちらをご覧ください。
トイレ詰まり、水漏れトラブルで安心して頼める業者の選び方
悪徳水道業者一覧の探し方とは?騙されないよう知識を増やそう!

 

2階のトイレ詰まりを予防する方法

ここまで、起きてしまったトラブルに対する方法をご紹介してきましたが、「治すより予防」が最良の対策です。
ここでは2階のトイレの詰まりを未然に防ぐためのポイントを紹介します。

 

日常の使用方法の見直し

まず、日常的な使い方を見直すことが重要です。
トイレットペーパーは一度に大量に流さず、多くなってしまう場合は数回に分けて流す、水に溶けないもの(ウェットティッシュや生理用品など)は絶対に流さないなどで要望することができます。
※トイレットペーパーはダブルよりシングルのほうが詰まりにくい傾向にあります。
また、子供がトイレを使用する際は誤っておもちゃなどを落としてしまうこともありますので、注意するようにしましょう。

 

定期的なメンテナンス

定期的にメンテナンスをすることで、排水管内の汚れを除去したり、軽微な異変に気付きやすくなったりしますので、下記のようなメンテナンスをしておくと安心です。

・定期的な洗浄剤の使用:月に1回程度、トイレ用洗浄剤を使用して排水管内の汚れを溶かす
・排水口周辺の清掃:便器内の排水口周辺に付着した汚れを定期的に掃除する
・止水栓の確認:定期的に止水栓が適切に開いているか確認する
・異音や流れの変化に注意:ゴボゴボという音や流れが遅くなるなどの前兆に気づいたら早めに対処する

また、排水桝の定期清掃をしておくことで、建物全体の排水システムを健全に保つことができるためおすすめです。
年に1~2回程度の頻度で排水桝の点検、清掃。大雨の後など落ち葉や土などが入っていないか確認すると共に、桝の周囲を清潔に保つようにしておくと安心です。

 

適切な水量の確保

2階のトイレでは特に水量が重要です。
止水栓を適切に開いて十分な水量を確保するとともに、節水のためだからと水量を極端に減らさないようにしましょう。
また、節水型などの場合、必要に応じてタンク内の節水機能を調整することで詰まりのリスクを減らすことができるようになります。

 

まとめ

2階のトイレの詰まりは、その構造上1階よりも発生しやすい問題です。
主な原因は排水経路の長さ、勾配の問題、水圧不足、汚れの蓄積などが挙げられます。
詰まりが2階のトイレ単独の問題である場合は1階には影響しませんが、共有排水管や排水桝で発生した詰まりは両方のトイレに影響します。

自分で対処できる方法としては、ラバーカップの使用、ぬるま湯や重曹・クエン酸の活用、専用洗浄剤の使用などがあります。
しかし、両方のトイレで同時に問題が発生している場合や、自分での対処で解決しない場合は、専門業者に依頼することが賢明です。

また、詰まりを予防するためには、適切な使用方法の徹底、定期的なメンテナンス、十分な水量の確保が効果的で、日頃から予防を心がけることで、余計なトラブルを発生させることなく過ごすことができます。

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